ごちゃまぜ

神様のえこひいき 鈴×神楽 弥白+ケンタ(頂き物)

夏乃さん(@gatyax2)さんに頂きました!11月25日、いい双子の日がテーマの小説です。

嬉しい可愛い嬉しい😂😂😂 ありがとうございました!

『がむしゃらに君が好き


 唐突ですが今日はいい双子の日だそうです。そんな特に関係ない、というか全く関係ない平日最初の日に、弥白くんの家に呼び出された。なんでだ。
 私こと鳥居鈴は神楽ちゃんが好きだった。中身は同じ弥白くんがケンタといても全く嫉妬することなく、まあ落ち着くところに落ち着いたよね。くらいの気持ちでいるから気を遣われる必要はないけれど、二人のラブラブっぷりにあてられることはある。神楽ちゃんが神楽ちゃんのままだったらいつか好きになってくれたかな? なんて考えることはあっても、神楽ちゃんが決めたことなら、反対はしたくてもそれで嫌われるなら本末転倒だ。何より流されたのではなく自分の意志で決めてくれないと、後で後悔されてしまっては意味が無い。
 さて、弥白くんとケンタの愛の巣(自分で考えておいて何だけどすごく笑える)に招待され、のこのこ遊びに来たわけで、オートロックを開けてもらったあと彼等の部屋のインターホンを押すと、黒くてでっかいわんこが現われた。訂正。弥白くんが現われた。『弥白』なのに黒。髪の色がね。これは個人的な感想というか、印象だけど、彼って黒い大型犬っぽい。ラブラドールレトリバーは凛々しくて冷静な盲導犬のイメージがあるから、毛足は長くないけど、そして犬を飼ったことがないからただの偏見だけど、落ち着きなさそうなゴールデンレトリバーかな。
「ようこそー! わざわざ来てくれてありがとう! オレ困っちゃってさぁ……」
「え? なんか困ってたの?」
 我ながら呆れるが、呼び出しの理由を尋ねていなかった。眉を下げ、表情全体で困惑の色を隠しもしない。ついでに頬に極太のサインペンで『困ってます』って書いてある。素直で好感はもてるのに、恋愛感情にはならかった。
「あ、そうそう。うん、えーっとね」
 促されるまま進み、いつもと変わらないモデルハウスかよとツッコミたくなる綺麗に片付いたリビングのソファで、視線は釘付けになった。
 どくん、と耳のそばで心臓が大きく脈打つ。柔らかそうな身体。色白で、可愛くて、ストレートな髪を持て余して適当に結んだせいで所々からはみ出ている。
 沢山恋をして、色んな人を好きになった。全部恋で、どれが一番かなんて選べない。だけどこんなにも、彼女はどうしようもなく忘れられない一人になっていたのだ。その人が今、そこに座っている。
「神楽ちゃん……?」
「鈴ちゃん! オレどうすればいいかわかんなくてさあ!? 起きたらこんななってるし、でも弥白はいるし、でも神楽はオレだし、こんなこと相談できるの鈴ちゃんくらいしかいなくて……」
 此方の姿を見つけた彼女が立ち上がる間に、人の家だとか、そんなのは知らない。二、三歩大股早足になったけど、そんなのも関係ない。思わず抱き締めていた。身体は勝手に動いていて、どうしようもなく触れたかった。会いたくてしょうがなくて、けれど二度と会えないと諦めていた人と会えたことがただ嬉しくて、他にどうすればいいのかわからない。
「神楽ちゃん、私のものになって」
 久々の温もりと、大好きな匂い。柔らかくて、元が男だからか、生来の優しさからか、女を無下に扱えないところも大好き。今も突き放せなくて行き場のない手を振り回している。
「いやいやいや、オレが好きなのケンタって知ってるでしょ」
「でも分裂したんでしょ、いいじゃん」
 多分これは、一日だけの奇跡だ。双子の日だから、私たちの周りに双子がいないから偶発的に、ご都合主義でうまれただけの、一日だけの奇跡。
「来て。服は……前に買ったやつ、捨てちゃった?」
「残ってるよ? 捨てるの勿体ないし」
「よっしゃ。じゃあそれに着替えて、ウチに来てメイクしてデートね」
「えっ」
 ケンタは結果がわかっていたみたいで面白そうに笑っている。弥白くんと神楽ちゃんがケンタを取り合うなんてことにはならない。だからあいつは私を呼ぶよう助言したのだろう。憎たらしいことこの上ないが、今回ばかりは感謝してやる。
 大好きな大好きな神楽ちゃんとのひとときばかりの再会を祝して。
「しゅっぱーつ!」
「まだ着替えてないって!」

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